日本の物流と公共交通を支える運送業界は、今、深刻な人手不足という大きな課題に直面しています。ドライバーの高齢化が進む一方で、若手の担い手は不足し、事業の継続さえ危ぶまれるケースも少なくありません。この状況を打開するための一手として、2024年4月から新たに特定技能「自動車運転分野」が創設されました。これにより、一定の専門性・技能を持つ外国人材が、トラック、バス、タクシーのドライバーとして日本で就労することが可能になりました。
本記事では、この新しい在留資格「特定技能ドライバー」制度について、企業側の受け入れ条件から外国人材の就職要件、具体的な手続き、そして制度活用のメリット・デメリットまで、網羅的に解説します。採用を検討する企業の経営者や人事担当者様、そして日本での就職を目指す外国人材の方が抱える疑問を解消し、制度を最大限に活用するための一助となれば幸いです。
特定技能ドライバーとは?日本の人手不足を解消する新制度の概要
特定技能ドライバー制度は、国内の人材確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人材の受け入れを目的とする「特定技能」制度の一環として新設されました。これまで対象外であった自動車運送業が加わったことで、業界が抱える構造的な人手不足問題の解決に大きな期待が寄せられています。まずは、この制度がなぜ創設され、どのような枠組みで運用されるのか、その基本を理解していきましょう。
特定技能「自動車運転分野」が創設された背景と目的
特定技能「自動車運転分野」が創設された背景には、日本の自動車運送業が直面する、待ったなしの労働力不足があります。特に、トラック、バス、タクシーの各分野では、以下の課題が深刻化していました。
- ドライバーの高齢化と若年層の入職者減少:全産業の平均と比較して、運送業界の就労者の年齢層は高く、次世代の担い手確保が喫緊の課題となっています。
- 「2024年問題」による労働時間規制の強化:働き方改革関連法により、ドライバーの時間外労働に上限が設けられ、一人のドライバーが担える業務量が減少。さらなる人材が必要となりました。
- EC市場の拡大に伴う輸送需要の増加:インターネット通販の普及により、小口配送の需要が急増し、トラックドライバーの負担が増大しています。
- インバウンド回復による旅客需要の増加:訪日外国人観光客の増加に伴い、観光バスやタクシードライバーの需要が高まっています。
これらの課題を解決し、国民生活や経済活動に不可欠な物流・旅客輸送サービスを維持・確保すること。それが、特定技能ドライバー制度の創設目的です。国内での人材確保努力を前提としつつ、即戦力となる外国人材を受け入れることで、社会インフラとしての運送業の持続可能性を高めることを目指しています。
特定技能1号・2号の違いとドライバーの対象範囲
特定技能制度には、「特定技能1号」と「特定技能2号」という2つの区分があります。それぞれの特徴と、自動車運転分野がどちらに該当するのかを正確に理解しておくことが重要です。
| 区分 | 技能水準 | 在留期間 | 家族帯同 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 特定技能1号 | 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能 | 通算で上限5年 | 原則不可 | 受け入れ分野での即戦力として活動することが期待される。 |
| 特定技能2号 | 特定産業分野に属する熟練した技能 | 上限なし(更新可能) | 要件を満たせば可能 | 長年の実務経験を要する熟練レベル。永住権取得の可能性も。 |
現在、特定技能「自動車運転分野」で認められているのは「特定技能1号」のみです。つまり、在留期間は通算で最長5年となり、原則として家族を帯同することはできません。特定技能1号の期間を修了した後、より熟練した技能が求められる特定技能2号へ移行できる分野もありますが、2024年4月の制度開始時点では、自動車運転分野は特定技能2号の対象外となっています。今後の制度改正で対象となる可能性はありますが、現時点では5年間の期限付きの在留資格であると認識しておく必要があります。
特定技能ドライバーが担う業務と受け入れ企業側の要件
特定技能ドライバー制度を活用するにあたり、企業は「どのような業務を任せられるのか」そして「受け入れるために何をすべきか」を正確に把握する必要があります。ここでは、特定技能ドライバーが従事できる具体的な業務内容と、受け入れ企業(特定技能所属機関)に課される法的な要件について詳しく解説します。
| 要件項目 | 詳細 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| 事業の許認可 | 道路運送法に基づく貨物、乗合旅客、貸切旅客、乗用旅客自動車運送事業の許可 | 許可を受けた業種のみ特定技能ドライバーの受け入れが可能 |
| 協議会への加入 | 国土交通省が組織する「自動車運送業分野における特定技能協議会」への加入 | 特定技能外国人を受け入れてから4ヶ月以内に加入が必要 |
| 法令遵守 | 労働関係法令、社会保険関係法令、税法などを遵守していること | 過去に法令違反がある場合は受け入れが認められない可能性あり |
| 報酬水準 | 特定技能ドライバーの報酬額が、同業務に従事する日本人従業員と同等以上であること | 不当な低賃金での雇用は固く禁じられています |
| 支援体制 | 外国人材への職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援計画の実施 | 自社での実施が困難な場合、登録支援機関への委託が可能 |
| 経営の安定性 | 事業が健全であり、継続して外国人材を雇用できる財政的基盤があること | 安定した雇用環境の提供が求められます |
特定技能ドライバーが従事できる具体的な業務内容
特定技能「自動車運転分野」では、従事できる業務内容が明確に定められています。対象となるのは、トラック、バス、タクシーの3つの業種における旅客または貨物の自動車運送事業に係る運転業務です。具体的には、以下の業務が該当します。
- トラック輸送:貨物自動車運送事業におけるトラックの運転業務。荷物の積み下ろしや検品、仕分けなど、運転に付随する業務も含まれます。
- バス輸送:一般乗合旅客自動車運送事業(路線バスなど)や一般貸切旅客自動車運送事業(観光バスなど)におけるバスの運転業務。乗客への案内や安全確認といった関連業務も担当します。
- タクシー輸送:一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー)における運転業務。乗客の送迎や料金収受、車両の日常点検などが含まれます。
これらの主たる業務に加え、運転前後の車両点検、清掃、燃料補給、荷物の積み下ろし、伝票整理など、運転に直接関連する付随業務も行うことが可能です。ただし、主たる業務が運転業務であることが前提であり、例えば倉庫作業や事務作業のみを専門に行わせることは認められません。また、霊柩運送事業や、自家用自動車を用いた送迎(いわゆる白ナンバー)などは対象外となるため注意が必要です。
受け入れ企業(特定技能所属機関)が満たすべき条件
特定技能外国人を受け入れる企業は「特定技能所属機関」と呼ばれ、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。これは、外国人材が安定して働き、安心して日本で生活できる環境を保証するためのものです。主な要件は以下の通りです。
- 事業の許認可:道路運送法に基づく貨物自動車運送事業、一般乗合旅客自動車運送事業、一般貸切旅客自動車運送事業、または一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けていること。
- 国土交通省が組織する協議会への加入:制度の適正な運用を図るために国土交通省が設置する「自動車運送業分野における特定技能協議会」の構成員になる必要があります。この協議会への加入は、特定技能外国人を受け入れてから4ヶ月以内に行わなければなりません。
- 労働・社会保険・税に関する法令の遵守:労働関係法令や社会保険関係法令、税法などを遵守していること。過去に法令違反がある場合は受け入れが認められないことがあります。
- 日本人と同等以上の報酬:特定技能ドライバーの報酬額は、同じ業務に従事する日本人従業員と同等か、それ以上であることが絶対条件です。不当な低賃金での雇用は固く禁じられています。
- 外国人材への支援体制の確保:受け入れた外国人材に対し、職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援を行う義務があります。自社で支援体制を構築するのが難しい場合は、登録支援機関に支援計画の実施を委託することができます。
- 経営の安定性:事業が健全であり、継続して外国人材を雇用できる財政的基盤があること。
これらの要件、特に外国人材への支援体制の構築は、初めて外国人採用を行う企業にとっては大きなハードルとなり得ます。支援計画の策定から実行まで、専門的な知識が求められるため、多くの企業が登録支援機関に業務を委託しています。
特定技能ドライバーとして働くために必要な条件と資格
外国人材が特定技能ドライバーとして日本で働くためには、技能や経験だけでなく、言語能力や日本の運転免許など、複数の条件をクリアする必要があります。ここでは、外国人材側に求められる具体的な要件と、その証明となる試験について解説します。企業の人事担当者も、採用候補者がこれらの条件を満たしているかを確認するために、正確な知識を持つことが不可欠です。
| 要件項目 | 詳細 | 取得方法・証明 |
|---|---|---|
| 日本語能力 | 業務上必要な日本語でのコミュニケーション能力 | 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)合格、または日本語能力試験(JLPT)N4以上 |
| 運転免許 | 従事する業務に応じた日本の運転免許証の保有 | トラック:中型・大型免許、バス・タクシー:第二種運転免許。日本の自動車教習所での取得が一般的 |
| 技能水準 | 特定技能ドライバーとして必要な専門的技能と知識 | 「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」の合格(学科試験と技能試験で構成) |
| 実務経験 | (必須ではないが)即戦力として活躍できる実務経験 | 評価試験に合格することで技能水準を証明可能 |
必要な日本語能力試験と運転免許、実務経験
特定技能ドライバーになるためには、以下の3つの主要な要件を満たす必要があります。これらは、日本で安全に業務を遂行し、円滑なコミュニケーションを図るための最低限の基準となります。
- 日本語能力:業務上、顧客や同僚、運行管理者と日本語でコミュニケーションを取る必要があります。そのため、「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」に合格するか、「日本語能力試験(JLPT)」でN4以上に合格することが求められます。N4は、基本的な日本語を理解できるレベルです。
- 運転免許:従事する業務に応じた日本の運転免許証の保有が必須です。例えば、トラックであれば中型または大型免許、バスやタクシーであれば第二種運転免許が必要となります。⚠️ 注意:外国の運転免許証を日本の免許証に切り替えるだけでは不十分な場合が多く、多くは日本の自動車教習所に通うか、運転免許試験場で試験に合格して、必要な種類の免許を新規に取得する必要があります。
- 実務経験:特定技能ドライバーには即戦力としての活躍が期待されるため、実務経験は重要な要素となります。ただし、必須の要件ではなく、後述する特定技能評価試験に合格することで、技能水準を証明することも可能です。
特に、運転免許の取得は、時間と費用がかかるプロセスです。企業側は、採用候補者がすでに日本の免許を保有しているのか、これから取得する必要があるのかを事前に確認し、必要なサポート体制(費用補助や学習時間の確保など)を検討することが重要です。この点は、採用計画を立てる上で非常に大きなポイントとなります。
特定技能評価試験「自動車運転分野」の内容と対策
特定技能ドライバーとして必要な技能と知識を有していることを証明するために、「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」に合格する必要があります。この試験は、トラック、バス、タクシーの3つの区分に分かれており、受験者は希望する業種の試験を選択します。
試験は、学科試験と技能試験(実技試験)で構成されています。
【学科試験】
学科試験では、安全な運転のために必要な構造・機能に関する知識、法令に基づいた適切な運転方法、日常点検やトラブル対応など、ドライバーとしての専門知識が問われます。出題範囲は主に以下の通りです。
- 貨物自動車(または旅客自動車)の構造上の特性
- 貨物の積載方法(トラック)または旅客の安全確保(バス・タクシー)
- 道路交通法などの関連法令
- 日常点検整備の方法
- 危険を予測した運転(危険予知)
【技能試験】
技能試験では、実際に車両を運転し、基本的な運転操作や安全確認、専門的な運転技能が評価されます。評価項目には、発進・加速、進路変更、後方感覚(車庫入れ)、隘路(あいろ)への進入などが含まれます。特に、安全確認(ミラーや目視での確認)が厳しくチェックされる傾向にあります。
【試験対策】
試験の対策としては、まず国土交通省や試験実施機関が公開しているテキストやサンプル問題を徹底的に学習することが基本となります。学科試験は、日本の運転免許取得時に学ぶ内容と重なる部分も多いため、免許取得の際の教材も役立ちます。技能試験については、自動車教習所での練習や、経験豊富な指導員からのアドバイスが効果的です。企業が受け入れを支援する場合、こうした学習機会を提供することも、優秀な人材を確保する上で有効な手段となるでしょう。
特定技能ドライバーの採用・就職プロセスと準備すべきこと
特定技能ドライバーの採用は、一般的な日本人従業員の採用プロセスとは異なり、在留資格の申請など、特有の手続きが必要となります。企業側と外国人材側、それぞれの視点から、採用・就職に至るまでの具体的な流れと準備すべきことを理解しておくことが、スムーズなマッチングの鍵となります。
企業が特定技能ドライバーを採用するまでの具体的なステップ
企業が特定技能ドライバーを雇用するまでのプロセスは、大きく分けて以下のステップで進みます。法的な手続きが多いため、計画的に進めることが重要です。
- 求人募集と候補者の選定:国内外の外国人材を対象に求人を出します。ハローワークや人材紹介会社、または専門のマッチングプラットフォームなどを活用します。候補者選定の際は、前述の日本語能力や運転免許、技能評価試験の合格状況などを確認します。
- 雇用契約の締結:採用する人材が決まったら、労働条件を明記した雇用契約を締結します。この際、報酬額が同業務の日本人と同等以上であることを必ず確認します。
- 支援計画の策定:受け入れる外国人材に対する支援計画を策定します。これには、来日前の情報提供、空港での出迎え、住居確保の支援、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供などが含まれます。自社で実施が難しい場合は、登録支援機関に委託します。
- 在留資格認定証明書(COE)の交付申請:海外に在住している外国人を呼び寄せる場合、地方出入国在留管理局に「在留資格認定証明書(COE)」の交付を申請します。多くの書類が必要となるため、行政書士などの専門家に依頼することも一般的です。
- ビザ(査証)の発給と入国:COEが交付されたら、本人に送付します。本人は現地の日本大使館・領事館でビザを申請し、発給後、日本へ入国します。
- 就労開始:入国後、住民登録や社会保険の手続きを行い、就労を開始します。企業は、先に策定した支援計画に基づき、継続的なサポートを提供します。
この一連のプロセスは、数ヶ月単位の時間を要します。特に、信頼できる登録支援機関や人材紹介会社を見つけることが、採用成功の第一歩と言えるでしょう。しかし、どの支援機関が自社の業種や地域、求める人材の国籍に対応しているのかを一つひとつ調べるのは大変な手間です。
このような課題を解決するため、私たちテクロ株式会社が運営する「外国人採用ポータル」のようなマッチングサービスが役立ちます。当ポータルでは、外国人材の採用を検討している企業が、地域・在留資格・業種・国籍などの条件で支援機関を検索・比較し、無料で相談できます。専任スタッフが案件内容を確認・整理し、審査済みの確度の高いリードのみを提供するため、採用担当者様の手間を大幅に削減し、質の高いマッチングを実現します。
外国人が特定技能ドライバーとして就職するまでの流れ
一方、外国人材が特定技能ドライバーとして日本で働く場合、主に2つのルートがあります。海外から直接日本に来る場合と、すでに技能実習などで日本に在留している場合です。ここでは、海外から来日するケースを想定した一般的な流れを解説します。
- 日本語能力と技能の習得:母国または第三国で、日本語能力試験(N4以上)と自動車運送業分野特定技能1号評価試験の合格を目指して学習します。
- 求職活動と内定獲得:日本の求人情報を探し、企業の採用面接を受けます。オンラインでの面接が主流ですが、現地での採用会に参加するケースもあります。
- 雇用契約の締結:採用が決まった企業と雇用契約を結びます。労働条件や待遇をしっかり確認することが大切です。
- 在留資格認定証明書(COE)の交付:日本の受け入れ企業が代理で申請したCOEが交付されるのを待ちます。
- ビザ(査証)の申請・取得:COEを受け取ったら、自国の日本大使館・領事館でビザを申請します。
- 日本への渡航と就労開始:ビザが発給されたら航空券を手配し、日本へ渡航します。空港では企業の担当者や登録支援機関のスタッフが出迎え、その後の生活立ち上げをサポートしてくれます。
日本で働くためには、これらの試験合格と手続きが必要です。特に、試験情報や信頼できる求人情報を得ることが重要になるため、現地の送り出し機関や日本の人材紹介会社のサポートを活用することが一般的です。
特定技能ドライバーを受け入れる・働く上でのメリット・デメリット
特定技能ドライバー制度は、人手不足に悩む企業と、日本でキャリアを築きたい外国人材の双方にとって大きな可能性を秘めていますが、同時に考慮すべき課題も存在します。ここでは、企業側と外国人材側、それぞれの立場から見たメリットとデメリットを整理し、制度をより深く理解するための一助とします。
企業にとっての特定技能ドライバー導入の利点と課題
企業が特定技能ドライバーを受け入れることには、多くの利点がありますが、それに伴う責任や課題も認識しておく必要があります。
【利点(メリット)】
- 深刻な人手不足の解消:最大のメリットは、国内では確保が難しい若手・中堅の労働力を確保できる点です。即戦力となる人材の採用により、事業の維持・拡大が可能になります。
- フルタイムでの直接雇用:特定技能は直接雇用が原則であり、フルタイムで働いてもらえます。派遣やアルバイトとは異なり、長期的な視点で人材を育成し、安定した労働力を確保できます。
- 多様な人材による組織の活性化:異なる文化背景を持つ人材が加わることで、職場に新しい視点や活気が生まれる可能性があります。ダイバーシティの推進は、企業の成長にも繋がります。
【課題(デメリット)】
- 支援義務とコスト:受け入れ企業には、特定技能外国人に対する包括的な支援が義務付けられています。登録支援機関に委託する場合はその費用が発生します。また、採用手続きや在留資格申請にもコストと時間がかかります。
- コミュニケーションの壁:日本語能力試験N4レベルでは、日常会話はできても、業務上の複雑な指示や安全に関する細かなニュアンスが伝わりにくい場合があります。丁寧なコミュニケーションや、図や写真を用いたマニュアル作成などの工夫が必要です。
- 文化や習慣の違いへの対応:宗教上の配慮(礼拝の時間や食事など)や、労働観・生活習慣の違いから、予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。異文化理解のための研修を社内で実施するなど、受け入れ体制の構築が不可欠です。
これらの課題を乗り越えるには、経営層から現場の従業員まで、全社的に外国人材を受け入れるという意識を共有することが重要です。また、支援機関の選定も成功を左右します。当社の「外国人採用ポータル」では、支援機関側の「Webからの集客方法が分からない」「提案できる企業数が少ない」といった課題も解決するWin-Winのモデルを構築。そのため、意欲の高い優良な支援機関が多数掲載されており、採用企業は1案件につき1〜3社に限定された質の高い提案を受けることができます。
外国人にとって特定技能ドライバーとして働くメリットと注意点
外国人材が特定技能ドライバーとして日本で働くことにも、魅力的な点と注意すべき点があります。
【メリット】
- 安定した雇用と公正な待遇:特定技能制度では、日本人と同等以上の報酬が保証されています。安定した収入を得ながら、最長5年間、日本の運送業で働くことができます。
- 専門スキルの向上:日本の高い安全基準や運転技術、顧客サービスを学ぶことで、ドライバーとしての専門性を高め、キャリアアップに繋げることができます。
- 転職の自由:同一の業務区分内であれば、転職が可能です。自身のキャリアプランや労働条件に合わせて、働く場所を選ぶ自由があります。
【注意点】
- 在留期間の上限:特定技能1号の在留期間は通算5年が上限であり、現時点ではその後のキャリアパス(特定技能2号への移行)は約束されていません。将来のキャリアプランを考慮しておく必要があります。
- 家族の帯同が不可:原則として家族を日本に呼び寄せることはできません。単身での生活となるため、精神的な負担を感じる可能性もあります。
- 言語と文化への適応:仕事だけでなく、日常生活においても日本語能力は必須です。また、日本の交通ルールや生活習慣、文化に馴染む努力が求められます。
これらの点を十分に理解した上で、日本での就労を決断することが、本人にとって有意義な経験に繋がります。受け入れ企業側も、こうした外国人材の立場や不安を理解し、寄り添ったサポートを提供することが、長期的な定着と活躍の鍵となります。
特定技能ドライバー制度に関するよくある疑問とQ&A
特定技能ドライバー制度は比較的新しい制度であるため、多くの企業担当者や外国人材から様々な疑問が寄せられます。ここでは、特に頻繁に聞かれる質問や誤解されがちな点について、Q&A形式で分かりやすく解説します。
永住権への道は開けるのか?特定技能2号への移行条件
特定技能制度を利用して、将来的に日本への永住を目指せるのか、という点は多くの方が関心を持つポイントです。結論から言うと、現状の特定技能「自動車運転分野」から直接、永住権に繋がる道は容易ではありません。
まず、永住権の申請には、原則として継続して10年以上日本に在留していることが要件の一つとされています。特定技能1号の在留期間は最長5年ですので、この資格だけで永住権の要件を満たすことはできません。
では、熟練した技能を持つとされ、在留期間の更新が可能で家族帯同も認められる「特定技能2号」への移行はどうでしょうか。特定技能2号で長期間在留すれば、永住権の要件を満たす可能性が出てきます。しかし、前述の通り、2024年4月の制度開始時点では、自動車運転分野は特定技能2号の対象分野には含まれていません。したがって、特定技能1号の5年間の期間が満了した後は、原則として帰国する必要があります。
ただし、日本政府は今後、特定技能2号の対象分野を拡大することを検討しています。将来的に自動車運転分野が追加されれば、特定技能1号での実務経験を積んだ人材が2号へ移行し、長期にわたって日本で活躍し、永住を目指す道が開ける可能性はあります。今後の制度改正の動向を注視する必要があります。
他の在留資格(技能実習など)からの切り替えは可能か
すでに「技能実習」などの在留資格で日本に滞在している外国人が、特定技能ドライバーに移行することも可能です。特に、技能実習制度との連携は、特定技能制度の重要なポイントの一つです。
具体的には、技能実習2号を良好に修了した外国人は、一定の条件を満たせば、特定技能1号へ移行する際に、技能試験と日本語能力試験が免除される場合があります。ただし、これは技能実習での職種と、移行を希望する特定技能の分野に関連性があると認められた場合に限られます。
自動車運転分野は、これまでの技能実習制度の対象職種ではなかったため、技能実習からの移行で試験が免除されるケースは現時点では想定されていません。しかし、例えば「留学」や「技術・人文知識・国際業務」など、他の在留資格で滞在している人が、特定技能ドライバーの要件(試験合格、免許取得など)を個別に満たせば、在留資格を「特定技能1号」に変更する申請を行うことは可能です。
この在留資格の変更手続きは、本人が日本国内の地方出入国在留管理局で行います。すでに日本の生活や文化に慣れている人材は、企業にとっても即戦力として期待できるため、国内にいる外国人材からの採用も有効な選択肢と言えるでしょう。
まとめ:特定技能ドライバー制度を理解し、今後の事業・キャリアに活かす
本記事では、2024年4月からスタートした特定技能「自動車運転分野」について、制度の背景から具体的な要件、採用プロセス、メリット・デメリットに至るまで、多角的に解説してきました。この制度は、日本の自動車運送業が抱える深刻な人手不足を解消し、社会インフラを維持するための重要な一手です。
企業にとっては、即戦力となる若手人材を確保し、事業の継続性を高める大きなチャンスとなります。一方で、法令遵守や手厚い支援体制の構築といった責任も伴います。成功の鍵は、制度を正しく理解し、信頼できるパートナー(登録支援機関など)と連携しながら、計画的に受け入れ準備を進めることです。
外国人材にとっては、日本という国で専門的なドライバーとして安定したキャリアを築くための新しい道が開かれました。そのためには、日本語能力や運転技能を証明する試験に合格し、日本の文化やルールに適応していく努力が求められます。
特定技能ドライバー制度は、まだ始まったばかりですが、日本の運送業界の未来を左右する可能性を秘めています。この制度を深く理解し、自社の事業戦略や個人のキャリア形成にどう活かしていくかを考えることが、今、求められています。
外国人材の採用を具体的に検討し始めたものの、「どの支援機関に相談すれば良いかわからない」「自社の条件に合う機関を探す時間がない」といったお悩みをお持ちの企業担当者様も多いでしょう。外国人採用ポータルは、監理団体・登録支援機関・外国人紹介会社と採用企業をつなぐ比較マッチングポータルです。全国47都道府県に対応し、初期費用0円で利用を開始できます。審査済みの信頼できる支援機関とのマッチングを通じて、貴社の外国人採用を次の一歩へと進めるお手伝いをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
- 特定技能 在留資格「自動車運送業」について — 国土交通省 (https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000527.html / 2024年)
- 在留資格「特定技能」が新設されました。 — 出入国在留管理庁 (https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri01_00127.html / 2024年)